フリマアプリ「Vinted」の使い方/購入方法

リトアニア発のフリマアプリ「Vinted」を利用し始めて8か月ほど経ったので、利用方法や実際使ってみてどうなの?といったところをお伝えしようと思います。今回は購入者側の利用方法が中心です。

Vintedとは?

Vintedトップページ
Vinted公式サイト

Vintedはリトアニア発のフリマアプリです。日本でいうとメルカリに近いと思います。

欧米でサービスを展開していて、私がいつも使用しているのはその中でもドイツ向けのvinted.deです。

商品はファッション系や化粧品などの美容系が中心ですが、雑貨や本、ペット用品などもあります。

使用されている言語は基本的にドイツ語で、ユーザー間のやりとりはドイツ語がデフォルトになりますが、英語でも対応してくれるユーザーは多いと思います。

出品料はなし、手数料は購入者が負担する

Vintedの大きな特徴は、出品者側に手数料が発生しないところです。手数料はKäuferschutz-Gebühr(購入者保護手数料)という形で70セント+商品代金の5%を購入者が負担します。

月額利用料などもないので、出品者は商品が売れたら代金がそのままもらえます。

送料も基本的に購入者が負担することがほとんどで、自ら負担して送料無料にする出品者はかなり少数派です。

メルカリの「プロフ必読」「即購入禁止」のような暗黙のルールはVintedにも

Vintedは日本のメルカリとよく似ていると思います。

メルカリは日本にいた時私もよく利用していました。とても便利なのですが、メルカリには暗黙の了解やいわゆる「マイルール」といったものがあって、そこら辺はちょっと使いづらいなぁと思ってもいました。

Vintedはそこまでではないにせよ、やっぱり同じようなものがあります。

メルカリでは例えば「プロフ必読」「即購入禁止」などがよくあるものだと思います。

「プロフ必読」は、購入する前に必ず出品者のプロフィールを訪れてそこに書いてある注意点などを読んでくださいというもの、「即購入禁止」は、購入する前に必ず一言コメントを入れてください、というもの。

どちらもメルカリの公式ルールではありません。ですが、出品者が商品の詳細欄や自分のユーザー名にこれらの文言を入れていることがよくあります。

Vintedでもこの2つはちょくちょく見るのですが、それ以上にやっかいなものがあります。

Vintedで一番よく見るマイルール「支払いシステムを通しては買わないで」

Vintedで一番よく見るマイルールは、「プロフ必読」でも「即購入禁止」でもなく、「システムを通しての購入禁止」です。

Vintedでは商品の詳細欄にこのように書いている人が本当に多いです。そして一番理解が難しかったマイルールでもあります。

これは何を意味しているかというと、Vintedの支払いシステムを通じて購入しないでください、ということです。

Vintedでは大きく分けて2つの購入方法があります。

1つは商品ページの「Kaufen」をクリックしてVintedの支払いシステムを通じて購入する方法。2つ目はKaufenを押さず出品者とチャットでやりとりしながら、支払いをVintedの外(Paypalや銀行振り込みなど)で行う方法。

一見1つ目がスタンダードのように見えるのですが、実際は2つ目の方法を望む出品者が多いです。

ですのでVintedで何か購入したいときは、Kaufenではなく「Anfragen(問い合わせる)」を押してチャットをスタートするのが一般的です。

Vintedボタン(Kaufen,Anfragen)
Vinted購入ボタン/問い合わせボタン

どの取引方法を望んでいるかは商品の詳細欄ではなくプロフィール欄に書いている出品者も多いので、購入を検討する場合はそちらもチェックしておきましょう。

ちなみに画像の「Verhandeln」は値段交渉です。希望する値段を入力して出品者に提案することができます。

支払いシステムを通さない購入の方法

システムを通しての購入は通常のオンラインショッピングと同じで、Kaufenをクリックして支払い情報や住所などを入力するだけです。

そのため今回はシステムを通さない購入の方法をご紹介します。なお、Vintedとしてはこの方法はKäuferschutzによる返金保証がないためおすすめしていません。私としても積極的におすすめするつもりはありません。

ですが事実としてこちらの方法もよく使われるので、詳しくお伝えしていきます。

1. チャットで購入したい旨を伝える

購入したい商品ページのAnfragenボタンを押します。そうすると出品者とのチャットページが開くので、商品を購入したい旨を伝えます。

私は例えば”Hallo! Ich würde gerne diese Hose kaufen :)(こんにちは、このズボンを購入したいのですが)”などと声をかけています。

他のバージョンとしては、”Hallo! Ich habe Interesse an der Hose. Ist die noch da?(こんにちは、このズボン気になっているのですが、まだありますか?)”とかもあります。ですが中には「そりゃあるに決まってるでしょ、まだ売ってるんだから」と少し気を悪くする出品者もいるので、ダイレクトに「購入したい」と言ってしまうほうがいいかなと思います。

2. 支払い方法を相談する/Paypalの場合は注意

そうすると多くの場合支払い方法を提案してくれるので、希望を伝えます。

PaypalかÜberweisung(銀行振り込み)が多いと思います。

Paypalの場合は1つ注意点があります。”Paypal-Freunde”を利用することが暗黙の了解になっていることがあるということです。

Paypalでの送金には大きく2つ種類があり、1つは友達や家族などへの送金に適したもの(Für Freunde und Familie)、2つ目はオンラインショッピングやオンラインサービスの支払いなどで利用するビジネス取引用のもの(Für Waren und Dienstleistungen)です。

2つ目のビジネス取引用だと受け取る側は手数料を払わなくてはいけません。また、取引がうまくいかなかった場合購入者はPaypalからお金を返してもらえますが、出品者としてはお金が取り上げられてしまう可能性があります。

そのため商品説明欄やプロフィールに「Paypalの場合はFreundeで」と書いている出品者もいます。

書いていなくてもFreundeで送金することを出品者が前提としている場合もあるので、まずその点をチャットで相談してから送金するといいと思います。

ただ、システムを通さずにPaypal-Freundeや銀行振り込みで支払うということは、補償が全くされないということです。

そのため、高価な商品は必ずシステムを通してもしくはビジネス取引用Paypalを通して支払うことをおすすめします。出品者がそれを受け付けない場合は詐欺の可能性があるので、取引はやめたほうがいいと思います。

3. 支払う

支払い方法が決定したら、多くの場合出品者のほうから支払い総額を知らせてくれます。先に送料込みの値段を教えてくれて、それから支払い方法の相談という順番になることもあります。

送料を購入者が負担する場合、この金額は商品価格プラス送料になります。

ダンボールの大きさがわからないなど、出品者がこの時点で正確な送料を出せないこともありますが、その場合はだいたいの料金で合意することになります。

提示された金額に納得できなければお断りしても大丈夫です。

金額が提示されたら次は支払いになります。

支払い方法がPaypalなら相手が自分のメールアドレスを送ってくるので、そのアドレス宛に送金します。

銀行振り込みなら相手が口座番号を送ってくるので、振り込みます。相手の口座に到着するまで1〜3日くらいかかります。

いずれの場合も送金したら相手に知らせてあげると親切です。私は”Habe ich überwiesen :)(送金しました)”みたいな感じで短く言っています。

4. 商品が届くのを待つ→到着報告をする

支払いが完了したら住所を送るよう言われるので、名前と住所を送ります。

そうすればあとは出品者が商品を発送してくれるので、届くのを待つだけです。

商品が届いたらチャット画面で到着の報告をします。問題なければ”Alles in Ordnung“、違うものが届いたなど何か問題があれば”Ich habe ein Problem”のボタンを押します。

最後に出品者に評価をつけて、取引は終了です。この商品到着後の流れはシステムを通じての購入でも同様です。

支払いシステムを通してほしくない出品者側の理由

支払いシステムを通さないで、と言っている出品者がなぜそう言っているのか、最初は理解に苦しみました。

理由はいろいろあるようですが、だいたいこんなところです。

  • お金が早く手元に来る(システムを通すと、基本的に購入者が商品の受け取りを報告するまでもらえない)
  • 追跡なしで送った商品が届かなかった時に、売り上げが入ってこない可能性がある
  • 購入者が商品が商品説明と異なると判断し返品になった場合、売り上げが入ってこない可能性がある

もちろん支払いシステムを通しての購入を受け付けている出品者もたくさんいるので、とりあえずはAnfragenで相談してみるのが良さそうです。

支払いシステムを通さないときの注意点(購入者側)

この支払いシステムを通さない購入の場合はKäuferschutz-Gebührが節約できるのですが、その分当然のことながら購入者側がリスクを負うことになります。

支払いシステムで購入する場合、万が一の時にはお金が戻ってきます。

一方Paypal-Freundeや銀行振り込みの場合は、出品者が返金対応しない限り一度送ったら取り返すことはできません

そこで購入者としても注意すべき点があります。

  • 高価な商品は必ず返金保証付きで購入する
  • 高評価の多い出品者から買う

「高価」の基準は人によって違うと思いますが、私はVintedで10€以上の買い物はしないので、通常Paypal-Freundeや銀行振り込みで支払っています。今のところ詐欺にあったことはありません。

「システムを通しての購入禁止」よくある言い回し

以下のような表現はすべてこの「システムを通しての購入禁止」を表しています。

  • Nicht auf kaufen klicken
  • Nicht übers System Kaufen
  • Bitte nicht über das KK System
  • Ich verkaufe nicht über das KK System(KKというのは「Kleiderkreisel」の略で、Vintedの以前の名称です。)

私がVintedを利用するときに気をつけていること

私がVintedのチャットで他のユーザーとやりとりするときは、とにかくfreundlichであることを意識しています(freundlichの日本語訳を1つに決めるのは難しいですが、友好的・愛想がいい・明るいといったニュアンスです)。

取引終了後に購入者も出品者から評価されますが、その際freundlichであることは高ポイントになります

具体的には、:)といった顔文字やスマホで使うような笑顔の絵文字を入れるようにしたり、質問する時はできるだけ丁寧な文を作るように心がけたりしています。

装飾のないフランクな文を送ってくる方もいますし、それはそれで距離が近い感じもしていいと思うのですが、私は絵文字や顔文字を入れたほうが印象がやわらかくなっていいかなと思っています。

基本的に終始顔の見えないやりとりになるので、ぶっきらぼうな印象を与えないようその辺はかなり気をつかっています。

Vintedの副次的効果:ドイツ人と対等にやり合えている感覚が得られる!?

メルカリと同じ感覚で、服を安く買えたらいいなと思って始めたVintedですが、自分としてはそれとは別の効果もあると感じています。

Vintedでは(システムを通さない場合)出品者とチャットでやりとりをしながら商品を購入するので、なんとなく、ドイツ社会の一員としてドイツ人と対等な立場でやり合えている感覚が得られるのです。

別に難しい交渉をしているわけじゃないんですけどね。「外国人」ではなく「ドイツのコミュニティの一員」として扱ってもらえているような、そんな感覚があります。なかなか説明が難しいのですが…。

そんなところもVintedで買い物をする楽しみの一つだと思っています。

お伝えしたように、システムを通さない取引では残念ながら詐欺にあう可能性も0ではないVintedですが、賢く利用すればとても便利なサービスです。ぜひ皆さんも利用してみてはいかがでしょうか?

ABOUT US
インフォルマティカー山田
日本の大学でドイツ言語学を学び、現在はドイツのダルムシュタット工科大学で情報学を専攻しています。 ドイツ語に関する素朴な疑問をたくさんのドイツ語学習者の方と共有したいと思い、ブログを始めました。 ドイツ語はもちろん、ドイツでの生活や正規留学についてなど、ドイツにまつわるあれこれを発信しています。