最近ドイツのアジア系レストランでアルバイトを始めたので、ドイツで留学生がアルバイトをする際のルールや、必要なドイツ語能力、そしてアルバイトの探し方についてお話ししようと思います。
ドイツでのアルバイト面接で聞かれたことや、Probetag(1日就業体験)についてはこちらの記事をご覧ください。
目次
ドイツで留学生はアルバイトできる?
基本的に、大学の学生・語学学生・大学準備コースに通っている学生は、ドイツで働くことができます。ただ、交換留学生の場合は日本の所属大学からアルバイトを禁止されていることが多いかもしれません。
ドイツでのアルバイトはフルタイム120日、パートタイム240日まで
EU圏外から来た私たちが学生としてドイツでアルバイトをする場合、フルタイムで働く場合は1年間で120日まで、その半分までの時間で働く場合は240日まで許可されています。
この「フルタイム」というのは決まった時間があるわけではなく、自分がいる職場の正規の従業員が1日に働いている時間を指します。
「その半分まで」というのはこのフルタイムの半分までを意味するので、フルタイムが8時間なら4時間まで、10時間なら5時間までという計算になります。
語学学生や大学準備コースに通っている学生の場合は、このルールに加え、ドイツ滞在1年目の間は学校が休みの間だけアルバイトができることになっています。大学に通っている学生にはこのような制限はありません。
アルバイトを始める前に必ず滞在許可証を確認すべし!
上でお話ししたことはあくまでも一般的な例で、本当に自分がドイツで働いていいのかどうかは滞在許可証に書いてあります。
私が今持っている滞在許可証には「Erwerbstätigkeit erlaubt」と書いてあります。他には、「Erwerbstätigkeit gestattet」という表現もあるようです。

以前交換留学の際にもらった滞在許可証には長ったらしく「Berechtigt zur Ausübung einer Beschäftigung, die insgesamt 120 Tage oder 240 halbe Tage im Jahr nichtüberschreitet sowie zur Ausübung einer studentischen Nebentätigkeit」と書いてありました。つまり上でお話しした「120日/240日ルール」を超えない範囲でなら働いてもいいよ、ということです。

税金がかからない「ミニジョブ」とは?
ドイツには税金や社会保険料のかからない「geringfügige Beschäftigung(わずかな労働)」という範囲が定められていて、2022年10月以降は月平均で520ユーロまでとなっています。いわゆる「Minijob(ミニジョブ)」です。
1年間の収入が6,240ユーロにおさまればいいので、520ユーロを超える月があっても問題ありません。その分他の月に働く時間を減らして調整すればOKです。
学生は絶対にミニジョブの範囲内で働かなければいけないということではありませんが、上限を少し超えるぐらいだと逆に手取りが520ユーロより少なくなってしまいます。
ドイツでフルタイムの学生をやっているとアルバイトに割ける時間もあまり多くないはずなので、お金が多めに必要ということでなければミニジョブの範囲にとどめておくのが無難だと思います。
ドイツでアルバイトするのに必要なドイツ語能力は?
さて、ドイツでアルバイトするためにはどのくらいのドイツ語能力が必要なのでしょうか。
これは場所や職種によってかなり変わると思います。
例えば、もはや英語が第二公用語と化しているベルリンや日本人の多いデュッセルドルフなら、ドイツ語初級の状態からでも働くことができます。
ほかの都市でも、例えば日本食レストランなら日本語と英語だけでOKというところもあると思います。
あとは例えば家事手伝いや清掃など、雇用主と意思疎通がとれればOKというところであれば、英語だけでも大丈夫という場合もあります。
ただ、ちまたに多く出回っている職種は、たとえアルバイトであってもある程度のドイツ語能力が必要なものがほとんどです。
例えばレストランのホールであれば、お客さんから注文をとってきて、またほかのスタッフと意思疎通をとれるくらいのドイツ語力は必要になります。
必要なフレーズというのはだいたいパターン化するのでペラペラである必要はありませんが、あまり話せないと判断されるとそもそも雇ってもらえないかもしれません。
ちなみに日本食レストランでも、日本人は1人も働いていないということもあります。その場合はやはりドイツ語が必要になるので注意です。
正規の学生として大学に通っている人なら最低でもB2程度のドイツ語力はあると思うので、ドイツ人(もしくは日本人以外)経営のレストランやカフェ、パン屋などでも働けると思います。
とはいえどのくらいドイツ語・英語が必要になるかはケースバイケースだったりもするので、まずは応募して、面接で聞いてみるのが一番いいと思います。
私が試したアルバイトの探し方3選
では、私が試したアルバイトの探し方を3つご紹介します。
今回アルバイトを始めるにあたっては、スーパーやレストランなどを中心に計9か所に応募しました。
職種はスーパーのレジ・スーパーでのパン製造・キッチン補助・洗い場などさまざまです。私の住んでいる町には日本食レストランなどはないので、すべてドイツ語で働く前提で応募しました。
1. Indeedなどの求人サイト
言わずと知れた求人情報サイト「Indeed」は、ドイツでも使えます。私がアルバイト探しをしよう!と思って最初に利用したのもIndeedでした。
私が利用した求人サイトは以下の通りです。
- Indeed

- StudentJob.de

- JOBOO!

- StepStone

ただこのような求人サイトでは、応募する人が多い分倍率が高いように感じました。私は求人サイト経由で5か所応募したのですが、うち3か所はそもそも返事がなく、1か所は履歴書で落ち、結局面接に呼んでもらえたのは1か所だけでした。
ちなみに私は洗い場やキッチン補助など、求人数が少ない職種を中心に応募していたので、それもあって倍率が高くなっていたのだと思います。
飲食店のホールやパン屋での販売など求人数の多い職種なら、求人サイトからでも十分に採用が狙えると思います。
2. 企業のキャリアポータル(大企業の場合)
大企業だと、自社のキャリアポータルを持っているところがあります。私はスーパーマーケットチェーンREWEと、ディスカウントチェーンALDIにキャリアポータル経由で応募しました。


この2社では、キャリアポータルから「bewerben(応募する)」をクリックすると応募専用のシステムに飛ばされるようになっています。そこに必要事項を入力し、履歴書をアップロードして、返事が来るのを待ちます。
応募後、REWEは3週間ほど経ってから、ALDIからは1週間経たないうちに面接の案内が来ました。
3. 直接メールor電話する
求人サイトもキャリアポータルも便利ですが、結局一番勝率が高いのは「どの求人サイトにも掲載されていない中小企業の求人」だと思います。
個人営業含め中小企業のアルバイト求人はどこかしらの求人サイトに掲載されていないと人目につく機会が少ないので、倍率がそもそも低いことが多いのです。
私は通勤可能な範囲をGoogleマップで表示し、しらみ潰しに飲食店をクリックして、公式サイトに求人情報がないかチェックしました。
そこで良さげな求人を見つけたら、直接メールか電話で応募する流れになります。
普段よく行くような場所であれば、店頭や店内に求人の貼り紙がないかチェックしてみるといいと思います。
前述したように、求人数が少ない職種を狙っている場合は、こういったライバルの少ない方法がおすすめです。
今の職場である個人営業のアジア系レストランも、この方法で見つけて採用してもらいました。
返事が来なくても気にしない!たくさん応募するのが大事
私は今回計9か所に応募し、2か所で実際に面接とProbetag(就業体験)を行い、うち1か所に採用してもらいました。
日本でアルバイトに応募したときはそもそも不採用になったことがなかったので、今回返事が来なかったり履歴書だけで落とされたりということを経験して少しショックでした。
ただ、こういう場合はいつも私たち側に問題があるというわけではありません。例えば、すでに十分にスタッフがいるのに求人を取り下げていない、といったこともあります。
もちろん、「外国人だから」「ドイツ語能力が十分じゃないから」という理由で落とされることも往々してあると思いますが。
返事が来なくてもあまり気にせず、いろいろな職種・企業・店舗に応募してみるのがいいと思います。
Gesetz über den Aufenthalt, die Erwerbstätigkeit und die Integration von Ausländern im Bundesgebiet 1) (Aufenthaltsgesetz – AufenthG) § 16b Studium(ドイツ語)