最近ドイツのアジア系レストランでアルバイトを始めたので、ドイツでのアルバイト面接の内容やProbetag(1日就業体験)について、そして仕事の様子についてお話ししようと思います。
ドイツでの就業ルールやアルバイトの探し方についてはこちらの記事をご覧ください。
目次
ドイツのアルバイト面接で聞かれたこと
応募した9か所のうち最終的に面接に呼んでもらえたのが4か所、実際に面接に行ったのが2か所、Probetagと呼ばれる1日就業体験をさせてもらったのが同じ2か所、そして採用してもらったのがうち1か所でした。
ちなみに2か所の面接に行かなかったのは、案内をもらった時点で今の職場の採用が決まっていたためです。
実際に面接に行ったのは、ALDIと現在の職場であるアジア系レストランです。ここでは、面接で聞かれたことをリストアップします。
1. ALDIの面接
ALDIには、「Studentische Aushilfe Verkäufer」という職種で応募しました。Verkäuferは「販売する人」、Aushilfeは本来「助力・援助・臨時の手伝い」のような意味ですが、日本語でいうアルバイトと同じです。
ALDIの面接では、開始前にとあるトラブルがあって肝を冷やしました。
面接の日は10分前くらいに店舗に到着して、スタッフの人に担当の◯◯さんはいますかと聞いたところ、「カレンダーに時間が間違って記入してあったせいで遅れるらしい」と言われました。
店内をうろうろして待ち、先ほどのスタッフの人に声をかけられたのはそれから30分ほど経ってからでした。「もう面接やりました!?」と焦り気味に聞かれ、担当者はもうとっくに着いていると。
事務所に通されると、担当の人は「面接は14時半でしたよね!?」と怒り気味…。スタッフの人が訳を説明してくれたので大丈夫でしたが、私の第一印象は良くなかったと思います。
スタッフ間での連携ができていなかったのだと思いますが、担当の人が到着したら呼んでくれるものだと何もせず待っていた私も悪かったと思います。
面接で聞かれたことは以下の通りです。
- この店舗のことはどこで知ったか
- 近くに住んでるのか
- Studiumはどんな感じか
- ドイツで働いたことはあるか
- ドイツ語は何年くらい勉強しているか
- なぜ日本の大学でドイツ語を選んだのか
- Werkstudentとgeringfügige Arbeit(いわゆるMinijob)の違いを知っているか
- どのくらい働きたいか
- 大学は毎日あるか
- フレキシブルに働けるか/現在の忙しさ
Werkstudentは大学に通っている学生に適用される制度で、週20時間まで、休み期間中は週40時間まで働くことが認められています。失業保険料や社会保険の追加料金の支払いは免除されます。
ただWerkstudentの場合、仕事内容は大学で専門的に学んでいる内容と関連するものであることが基本なので、私がALDIのVerkäuferinとしてWerkstudentの制度を使って働けるかどうかは微妙だと思います。
なお、一応面接前には準備としてALDIという企業についてWikipediaやLinkedInで調べたり、志望動機や自分の長所短所などをまとめたりもしましたが、特にそういうことは聞かれませんでした。
2. 個人営業のアジア系レストランの面接
2つ目は現在の職場である個人営業のアジア系レストランです。
私は洗い場の仕事に応募したのですが、洗い場はもう人が足りているので代わりにカウンター業務(Thekenkraft)をやってみないかと言われました。面接では以下のことを聞かれました。
- この店の求人をどうやって知ったか
- ドイツで働いたことはあるか
- 飲食店で働いたことはあるか
- いつ/何時間くらい働けるか
- Steueridentifikationsnummer/Rentenversicherungsnummerは持っているか
- Gesundheitszeugnisは持っているか
Steueridentifikationsnummer(税金識別番号)はドイツに住んでいる人が全員与えられる番号です。この番号は就業初日から必要とのことでした。
私は地域の管轄の税務署(Finanzamt)に電話して送ってもらいましたが、通常は住民登録後、自動的に家に送られてくるそうです。
Rentenversicherungsnummer(年金番号)は、ドイツの年金を管轄している機関Deutsche Rentenversicherungのウェブサイトから問い合わせをして、郵便で送ってもらいました。通常問い合わせから6週間くらいかかるそうですが、私の場合は2週間で届きました。
ちなみにこのRentenversicherungsnummerの提出はあとからでも大丈夫とのことでした。
Gesundheitszeugnisは、保健所で衛生管理についての講習を受けるともらえる証明書です。レストランのホール・キッチン、パン屋での販売・製造など、食品を扱う仕事をする人は必ず取得しないといけません。これも就業初日から必要です。


Probetag(1日就業体験)とは?
私の場合、面接のあとはProbetag(もしくはProbearbeit)と呼ばれる1日就業体験に案内されました。
Probetagは、実際に数時間〜1日働いてみて自分がその仕事に合っているかを確認するとともに、雇用する側が私たちのポテンシャルを見極める機会です。Probetagで問題ないと判断されれば採用となります。
正規の社員として採用してもらう場合は、このProbetagは数日に及ぶこともあるようです。
最初は面接ですぐ採用・不採用を決めてもらえないのはもどかしい感じがしましたが、いざProbetagをやってみると、本採用の前に自分がその仕事に向いているかどうかがわかるのでいい制度だなと思いました。
私は面接をした2か所でProbetagを経験したので、その時の様子について書いていこうと思います。
1. ALDIでのProbetag
ALDIのProbetagは2時間でしたが少々過酷で、体験中からすでに「自分には無理っぽいな…」と感じていました。
ALDIではVerkäuferという職種に応募しましたが、Minijobの範囲で働く場合はレジ周りの業務のみやることになっていました。というわけで、Probetagではレジの体験をしました。
やりながら教えてもらう感じで、なんの説明もなくいきなりレジに座らされました。
基本的には商品のバーコードをスキャンして、バーコードがない野菜や果物などは後ろにいるスタッフの人に番号を教えてもらってそれをレジに打ち込みます。
それはとりあえず問題なかったのですが、一番きついなぁと感じたのは、おつりを暗算しなければいけないということです。
他の大手のスーパーマーケットやディスカウントチェーンではレジの画面におつりの額が表示されるようになっているのですが、ALDIだけはおつりが表示されないので、自分で計算しなければいけません。
理由は、そのほうが速いからです。お客さんからお金をもらって、数えて、レジに打ち込んで、おつりの額を見てそれを取り出すよりも、お客さんがお金を用意している間にこちらもおつりを用意できれば、そのほうが速いというわけです。
例えばお会計が17ユーロ89セントなら、お客さんが20ユーロ紙幣を出してくると予想して、1セント→10セント→2ユーロの順で足し算のようにしておつりを用意します。
ただ、お客さんから例えば20ユーロ9セントを出してこられると、計算がもうよくわからなくなってしまうのです。
落ち着いて考えればわかるのですが、おつりを待っているお客さんの視線、そしてレジに長い間並ばされている他のお客さんたちの視線の中では、私はパニックになってしまっていました。
おつりの用意は慣れればどんどん速くできるようになると思うのですが、もともとあまり得意ではない接客をドイツ語でやりながら、かつスピードを求められるというストレスフルな状況に少々疲弊してしまいました。
Probetagのあと、案の定不採用のメールが来ました。もしProbetagという制度がなく、そのまま働き始めていたらと思うとおそろしいです。
2. 個人営業のアジア系レストランでのProbetag
現在の職場であるアジア系レストランでは、3時間ほどのProbetagをやりました。
Thekenkraftの仕事は、ドリンクを作ることと、グラスを洗ってもとに戻すこと、そしてドリンクの補充がメインです。Probetagでは、よく注文されるドリンクの作り方を一通り教えてもらいました。
Probetag終了後無事採用され、次の日から早速働き始めました。
「Probetag」と「Probezeit」は違うものなので注意
ProbetagとProbearbeitは同じものですが、Probezeitは違うものです。
ProbetagとProbearbeitはこれまでお話しした通り、1日体験または就業体験のことです。
一方Probezeitは試用期間のことです。Probezeitは最長6か月となっていて、この期間中は、仕事を辞めるまたは辞めさせる場合、2週間前に通告すればよいことになっています。試用期間が過ぎると、最短でも4週間前に予告しなければいけなくなります。
実際にアジア系レストランで働いてみた感想
アジア系レストランと書いていますが、従業員の国籍は8割ほどがアジアのとある国、1割がドイツ、1割がその他です(私はここに入ります)。
職場の使用言語の多数派はそのアジアのとある国の言語ですが、私が他の従業員とコミュニケーションをとる際はほとんどドイツ語です。ドイツ語を全く話せない人もいるので、そういう人とは雰囲気で乗り切っています。
私がコミュニケーションをとらなければいけないウエイターの人たちはみんなある程度ドイツ語が話せるので、なんとかなっています。
私が自分で接客する場面はそんなに多くありませんが、ウエイターの人たちとのコミュニケーションはかなり多いです。そして基本的に忙しいので、コミュニケーションでもスピードが求められます。
パッと言われたドリンク名が聞き取れないことも多くありますが、その辺は慣れかなぁと思っています。
Bürgerliches Gesetzbuch (BGB) § 622 Kündigungsfristen bei Arbeitsverhältnissen(ドイツ語)