ドイツで婦人科に行ってみた | 役立つ単語集も

ドイツで婦人科に行ってみた

半年ほど前にドイツで初めて婦人科に行ってきたので、時間は空いてしまいましたが記憶を呼び起こしながらその時のことを書いていきたいと思います。

最後にドイツでの婦人科受診時に役立つ単語集も用意していますので、ぜひ活用してください!

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ドイツの女性は若いうちから婦人科に行く

私は23歳にして今回が人生で初めての婦人科受診だったわけですが、ドイツでは若いうちから婦人科に行くことが一般的です。

2019年のドイツ連邦保健省の調査によると、14〜17歳で婦人科にまだ一度も行ったことがないと答えた女の子は36%、18〜25歳ではわずか4%にとどまりました。

さらに、初めて婦人科に行った歳としては14〜16歳がその半分を占めているということです。

一方日本では、生理日管理ツールで知られる『ルナルナ』などが2017年に行った調査によると、初めて婦人科検診を受けた年齢でもっとも多かったのは20~24歳で32.8%、次いで25~29歳が28.9%でした。

婦人科受診のきっかけについては、ドイツでは「避妊」や「生理」が多いのに対し、日本では「自治体からのお知らせ」や「職場の健康診断」が多いということです(それぞれ上記の調査より)。

ドイツでピルの服用率が日本より高いこともこの背景にありそうです。

日本では「検診のため」「妊娠したから」という理由で訪れるイメージの強い婦人科ですが、ドイツではもう少し身近な存在なのかもしれません。

ドイツで実際に婦人科に行ってみた/目的はピル処方箋&検診

私が婦人科に行くことになった最初のきっかけは、ピルです。前から存在は知っていましたが、ドイツだと日本よりかなり安く手に入るとのことで、一回試してみようと思い婦人科受診に至りました。

ピルを手に入れるにはドイツでも日本と同様処方箋が必要なので、婦人科(Frauenarzt)もしくはホームドクター(Hausarzt)などにお願いすることになります。

ですがやはりドイツでの婦人科受診は腰が重い…。ということで最初は処方箋なしでピルをゲットする方法も調べました。

しかしピルにはいろいろと副作用もあるので、薬局・オンラインにかかわらず処方箋は必ず提出しなければならないとのことでした。

婦人科受診を決めたもう一つの理由は、がん予防の定期検診です。ドイツでは20歳になると年1回の子宮頸がん検診が無料で受けられるとのことだったので、ついでにお願いしようと思っていました。

アフターピル(Pille danach)は、ドイツでは処方箋なしで薬局で買えます。

1. 予約をとる

ドイツでの婦人科受診にあたって、まずはGoogle マップで近隣の婦人科を調べました。最終的に3軒に電話しましたが、そのうち2軒は新規患者を受け入れていないということで断られました。

というわけで、3軒目の婦人科に行くことになりました。ドイツの診療所は予約をとる際に健康保険証が必要なことが多く、そこでは予約を取りに診療所まで来てくれと言われたので、翌日実際に行きました。

行ったのは12月初旬でしたが、取れた予約は2月でした。まあドイツではもう驚きもしないですね…まだ新規患者を受け入れてくれているだけマシです…。

私の場合は女性の先生にしぼって探していたのですが、男性の先生であればもう少し予約が取りやすい可能性はあると思います。

予約を取った際に問診票ももらいました。

内容の詳細は忘れてしまいましたが、身長・体重・既往症・家族で特定の病気になった人がいるか・妊娠中かどうか・前回の生理日などを聞かれたと思います。これを診察の時に書いて持ってきてとのことでした。

個人的に、この予約が取れた時点で初の婦人科検診ミッションは半分終わったも同然だと思いました。

ドイツ語で電話で予約をとるのってかなり緊張しませんか…?私の場合は電話する前いつもお腹が痛くなってトイレに駆け込みます。

2. 当日、まずは問診とクラミジア検査から

予約当日は、まず医師ではない診療所のスタッフの方から問診を受けました。前回の生理日など、問診票の内容とかぶるものもあったと思います。

続いてクラミジアの尿検査を受けるかを聞かれました。ドイツでは、25歳以下の女性は年に1回無料で検査ができるとのことでした。

受ける場合は尿検査キットが渡されるので、後日尿を採取して指定された時間までに(たしかこの時は午前11時でした)診療所へ持っていきます。なお、日付は指定されませんでした。

診療所(Arztpraxis)で働いている医師ではない医療スタッフは、Medizinische Fachangestellteと呼ばれます。受付業務・医師の補助業務などをこなしますが、職業的に看護師とは区別されています。

3. 医師による子宮頸がん検査と胸の触診

次に、医師による診察・検査です。私の先生は40〜50代くらいの女性の方でした。

診察室に入ったら最初に今回の受診の目的を聞かれます。私の場合は定期検査とピル処方をお願いしたいということを伝えました。

まず子宮頸がんの検査ですが、これは細長い綿棒のようなもので子宮頸部をこすって細胞を採取するというものです。これは下半身裸になって診療台に乗って行います。

こういう検査は初めてだったのではずかしさはありましたが、先生はプロだし同じような検査はもう何百回とやってきたはず。ということであまり気にしないよう努めました。

半年前のことなので詳細は忘れてしまいましたが、検体採取中は違和感はあれど痛みはほとんどなかったと思います。完全に力を抜くのがコツだそうです!

ちなみに検査の結果は4週間後くらいに出るということで、問題があった場合だけ電話で連絡するとのことでした。

続いての胸の触診は、胸からわきにかけての部位にしこりがないかをチェックするものです。これは服を脱ぐ必要はなく、まくり上げるだけでOKでした。

4. 最後にピルに関する説明/処方箋発行

検査のあとにピルに関する問診・説明がありました。聞かれたのはおもに下記のようなことです。

  • たばこは吸うか
  • 他に服用中の薬はあるか
  • 他に治療中の病気はあるか
  • 家族に乳がんにかかった人はいるか

問診でピルを処方しても問題ないと判断されると、ピルの服用方法などについて説明があります。

実はこの説明がちょっと難しくて全部は理解ができなかったのですが…。

幸いそのあとピルについてのリーフレットがもらえたのと、ピルの箱にも説明書が入っていたので、最終的にそれらを読んで理解できました。

診察後は処方箋をもらい、特に支払いなどはなくそのまま帰ります

あれ、これで終わりなのかな?と受付前でとまどっていると「まだなにか用事あるの?」と聞かれてしまいますので、「ちょっと待っていて」と言われている場合以外はさっさと帰りましょう。笑

なにかしら支払いが必要な場合は後日請求書が送られてくるので、指定された口座に振り込みをします。

公的健康保険でカバーされる婦人科検査は?

今回私が受けた検査の費用は公的健康保険でカバーされ、無料でした。婦人科検査の内容は年代によっても異なるので、今回は私が入っている公的保険TK(Techniker Krankenkasse)のサイトを参考に紹介します。

TK公式サイトより:Über­nimmt die TK die Krebs­früh­er­ken­nung beim Frau­en­arzt?

まず20代では、性器と子宮頸がんの検査(Pap-Test)が行われます。30代では20代の検査に加え、胸の触診があります。私は20代ですが、今回は特に何も言わずとも触診も一緒に受けられました。

35歳からは3年ごとに子宮頸がんの検査(Pap-Test)とヒトパピローマウイルス検査(HPV-Test)が行われます。50〜69歳では、2年に1回乳がん検査を受けるよう公的機関から通知されます。

これらの定期的ながん予防検査の費用はすべて公的保険でカバーされます。

ドイツの婦人科受診に必要な単語リスト

ドイツ語の単語・表現日本語訳
der Frauenarzt / die Frauenärztin婦人科医
die Gynäkologie(医療の一分野としての)婦人科
die Versicherung保険
die Untersuchung検査、検診
schwanger妊娠している、妊娠中の
ab|tasten触診する
die Gebärmutter子宮
der Gebärmutterhals子宮頸管
die Scheide膣、ワギナ
der Brustkrebs乳がん
der Gebärmutterkrebs子宮がん
der Gebärmutterhalskrebs子宮頸がん
die Regelblutung / die Menstruation月経、生理
複 Regelschmerzen / Menstruationsschmerzen月経痛、生理痛
der Geschlechtsverkehr性交
die Krebsvorsorgeがん予防
die Verhütung避妊
das Verhütungsmittel避妊薬、避妊具
die Pilleピル
das Wartezimmer待合室
ein Rezept verschreiben lassen処方箋を書いてもらう
ドイツの婦人科受診に必要な単語リスト

その後3か月ごとにピルの処方箋をもらいに行く

私の行った診療所はGoogle マップ上での評価が3.4と、良くもなく悪くもなくという感じで、実際に行ってみてもたしかにそのぐらいかなと思いました。

初予約を取り付ける際、最初は評価の高い診療所をあたっていたのですが、そういった人気のところはやはり新規患者を受け入れていないことが多いようで、現在の診療所に落ち着いた形です。

ピルの処方箋は3か月分なので、その後3か月ごとに診療所に行って、診察なしで処方箋だけもらっています。その場合は特に予約はいらず、好きなタイミングで行けます。

診察は最初だけで良いというのも楽だなぁと思っています。診察となるとやっぱり心理的負担が大きくなるので…。

その後すでに2回処方箋をもらいに行っているので、初受診から1年後のタイミングが近づいてくる次回、また定期検診の予約をしようと思っています。

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インフォルマティカー山田
日本の大学でドイツ言語学を学び、現在はドイツのダルムシュタット工科大学で情報学を専攻しています。 ドイツ語に関する素朴な疑問をたくさんのドイツ語学習者の方と共有したいと思い、ブログを始めました。 ドイツ語はもちろん、ドイツでの生活や正規留学についてなど、ドイツにまつわるあれこれを発信しています。