先日、3月初旬から1か月に渡ったテスト期間が終わりました。
私の学科では休み期間中にテストがあるので、休みらしい休みがありません。
特に春休みなんて…テストが終わったと思ったら残り5日しかないではありませんか!!( ;∀;)
ともあれドイツでの大学1学期目が終わったということで、今回は振り返りをしていこうと思います。
まず1学期の流れ、そして私の感想をお話しします。
目次
1学期の流れ
ドイツの大学とはいえ、学期の流れは日本の大学とほとんど変わりません。
まずは履修登録をし、それから授業や演習を受け、最後に期末試験を受けます。
大学や学科によってもかなり異なると思いますが、ここでは私が実際に経験した情報学部(Informatik)での最初の学期を中心に、ドイツの一般的な1学期の流れをご紹介します。
履修登録(Anmeldung)
まずは履修登録をします。履修登録はAnmeldungといいます。
大学のポータルに上がっているシラバス(Vorlesungsverzeichnis)を読んで、どの授業をとるか決めます。
私の場合はすでに1学期目の必修科目が4つあり、その4つだけでもかなり大変だと聞いていたので、他の授業はとりませんでした。
あとで履修をキャンセルすることもできるので、最初は多めに登録しておいてもいいかもしれません。
逆に、1学期でとらなければいけない最低単位数が決まっていない場合は、必修科目も全部とる必要はありません。
アルバイトやスポーツなど大学の勉強以外で忙しい学生は、必修科目1つだけ、2つだけ履修するという人もいます。
学期末試験の受験資格獲得に向け授業を受けつつひたすら課題をこなす
冬学期は10月、夏学期は4月に授業期間が始まります。
理系の場合は、講義と演習がセットになっていて、1つの科目につき毎週2コマあることも多いと思います。これも日本の大学と変わりません。
さて、ドイツの大学では、学期末テストを受けるにはある一定の条件をクリアしていないといけないということが結構あります。
この受験資格を私の大学ではStudienleistungと呼んでいるのですが、一般的にはKlausurzulassungなどと言ったりします。
この受験資格の条件は、科目によって異なります。
私が受けていた授業では、毎週提出する課題で◯%以上おさめる、というのが多かったです。パーセンテージはだいたい30〜60%です。
成績は学期末試験100%で決まりますが、課題の提出によってその受験資格が左右されるので、学生は課題もがんばります。うまくできていますね…
さらにボーナス制度がある場合は、課題の総得点が受験資格獲得ラインをはるかに超えていると、ボーナスがもらえて学期末試験の評定を1段階上げることができます。
このボーナスはがんばれば到達できるレベルに設定されていることが多いので、学生はがんばります。いやほんと、うまくできていますよね…
ちなみに、演習や課題などがない授業では、授業への出席回数が受験資格と直結していることもあります。
私が以前文系留学していたときに受けていた歴史の授業では、3回以上欠席したらダメ=学期末試験は受けられないとなっていました。
あとは、授業期間中にレポートをいくつか提出してそれが成績になるというパターンや、授業でのプレゼンや発表で成績が決まるというパターンもあります。
このように、成績のつけ方はいろいろです。
学期末テスト
私の学科では、今学期は必修4科目すべての学期末テストがKlausur=筆記試験でした。
学科や授業によっては、筆記試験ではなく口頭試験(mündliche Prüfung)が課されることもあります。
私の学科でも学年が上がると口頭試験もあるみたいなのですが、こういうのは本当に苦手なので今からふるえております…
なお、ドイツの大学では学期末テストにも別途登録が必要であることが多く、私の大学では冬学期の場合11月から1月くらいにかけてが登録期間です。
こちらもあとからキャンセルできるので、とりあえず登録だけしておけば、テストを実際に受けるかどうかは勉強の進み具合や自分の理解度によって直前に決められます。
その学期中に受けない場合は、来学期以降に受けることになります。その場合、獲得した受験資格は引き継がれます。
必修科目では試験を受けられる回数が決まっていることも多く、私の学科では3回までとなっています。
必修科目の試験で2回落ちて、3回目も落ちたら…退学になります。
そのため試験を今学期受けるかどうか、という選択はとても重要です。当たって砕けろはやめたほうがいいということですね。
2回目、3回目と回数を重ねるにつれ試験中のプレッシャーは増すので、1回目で受かってしまうのがやはり理想です。
とはいえ少し自信がないというくらいなら、今回の試験が簡単であることにかけて受けてしまうのもアリです。
来学期や1年後に試験を持ち越すと、あとの自分が大変になってしまいますからね。
そういった意味では、試験を受けるかどうかは結構ギャンブルです(笑)
1学期に履修した授業
私が情報学科での1学期目に履修した授業をご紹介します。授業はすべてドイツ語で行われました。
数学Ⅰ
ザ・数学です。集合・二項関係・帰納法・群論・複素数・ベクトル空間・写像・行列・線形代数などをやりました。
この中で、集合・帰納法・複素数あたりは高校で習った記憶があります。日本とドイツではカリキュラムに若干違いがあるのだと思います。
2学期目に数学Ⅱ、4学期目に数学Ⅲと、数学は毎年ついてまわります。
形式言語理論
「言語理論」とはいうものの言語学の授業ではなく、内容としては数学やプログラミングに近い授業です。正規表現などを扱いました。
個人的には、この必修4科目の中で一番難しいと感じました。
プログラミング
オブジェクト指向のプログラミングについて学ぶという授業で、具体的にはJavaを扱いました。
必修4科目の中で単位が一番多く、それにともなって課題の量も多かったです。
プログラミングの課題が毎週出るのですが、終わらせるのに20〜30時間くらいかかることもありました…
情報学科だと普段から趣味でプログラミングをする人も多いのですが、私はそうではないので、この授業はかなりハードだと感じました。
デジタル技術
コンピュータを構成する部品について学びます。原子レベルでの話からトランジスタや論理回路、メモリ、ハードウェア記述言語などを扱いました。
この授業では、普段の演習とは別で学期末試験の受験資格を得るための課題を提出することになっていました。
これがまたハードで、たとえば計3つある課題の3つ目には60時間もかかってしまいました…
1学期目を終えた感想
それでは、ドイツの大学での1学期目を終えた感想をお話ししていきます。
理系科目はやっぱり難しい
私は今までずっと文系だったのもあり、特に数学などは苦手分野なので、授業は全体的に難しいと感じました。
ドイツ語だからというのもありますが、内容がそもそも私には難しいのだと思います。
それでもYouTubeの授業動画を日本語・ドイツ語、さらには英語で探してみたり、ネットで解説記事を読んだり、日本から参考書を取り寄せたりして、あの手この手で理解できるようつとめました。
日本語のソースに頼るのはなんとなく負けたような気にもなりますが(?)、内容を理解するのに必死で、ほどなくそんなことも言っていられなくなりました。
ドイツ語は思っていたよりどうにかなった
入学前に一番懸念していたドイツ語ですが、やってみると意外となんとかなっています。
授業の内容は(難しくなければ)理解できるし、授業はスライドに沿って進むことが多いので、耳だけでなく目からも情報が得られます。
理系ということでドイツ語能力がそこまで必要ないというのも大きいと思います。
課題も問題を解いて提出するというもので、レポートなどはないので、言語面でのハンデはあまり感じていません。
問題を解くときには途中の過程を書くことが求められますが、凝った文章を書く必要はないので大丈夫です。
むしろ文系で留学していた時の方がキツかった記憶があります。
先ほどお話しした歴史の授業は、スライドは画像のみであとは教授がしゃべりまくるというものだったので、その場で理解できたことがすべてでした。
コロナ以前だったので授業の録画がmoodleにアップされるということもなく、今振り返ってもだいぶハードだったなと思います。
学期末テストの結果はまずまず
私の学科では2月下旬から春休みに入り、それと同時にテスト期間になりました。
3月〜4月初めにかけて1週間に1つくらいの頻度でテストがありました。
授業期間中は課題に追われていてテスト勉強ができる状態にはなかったので、テストが春休み中で助かったというのと、ちゃんとした休みはほぼないので残念だなというのが半々です。
私は今学期の必修4科目のテストはすべて受けました。
うち2つ、数学とデジタル技術はすでに結果が返ってきていて、無事合格していました。
※ドイツの大学の評定は1.0〜5.0(もしくは〜6.0)で、1.0〜4.0が合格圏内です。日本とは逆で1.0がもっともよい成績です。
数学はボーナス込みで2.0、苦手科目のわりには健闘したと思います。
デジタル技術のほうは3.7で、受かってはいたもののかなりぎりぎりでした…平均も低かったのでまあよしとします。
他の学生とコミュニケーションをとる機会がほぼなかった
コロナ禍ということで、1学期目はすべての授業と演習がオンラインで行われました。
他の学生とリアルで会う機会もほぼなく、友達らしい友達はまだできていません。
来学期は対面授業が再開するということなので、他の学生ともコミュニケーションがとれたらいいなと思います。
来学期に向けて
ドイツの大学での1学期目を終えて思ったのは、なんでも完璧にやろうとするのではなく、ある程度手を抜くのも大事だということです。
ドイツの大学は最短3年で卒業できることになっていますが、ほとんどの学生は4年以上在籍します。
ですが私はすでに今24歳ということもあり、大学はできるだけ早く卒業したいと思っています。
そこで、授業の内容をちゃんと理解しつつ、どれだけ効率的に勉強できるかが重要になってくるわけです。
私はもともと完璧主義なところがあり、ゆっくりでも徹底的にやりたいタイプなので、だいたいでいいから速くというのは本来苦手です。
ですがこれも練習のうちと思って、来学期はもっと時間対効果を意識して勉強できればなと思っています。
※4学期は日本でいう2年生の後期にあたります。ドイツの大学では学年という概念はなく、1年を夏学期・冬学期に2等分し、1学期、2学期、3学期というように学期の数で数えます。